新米は水加減を1割少なくする?実験してみました!

基礎知識
基礎知識

秋といえば、やはり楽しみなのが新米!そんな新米を炊く際に、気になるのが古米と比べた時の水加減ではないでしょうか。そこで今回は、新米を美味しく食べるための水加減についてご紹介します。

古米と新米ってどんなお米?

そもそも新米と古米って何が違うの?

そもそもこんな疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん収穫された年が違うのですが、それ以外にも古米と新米で様々な違いがあります。そこで、新米の水加減をご紹介する前に、新米と古米の特徴をご紹介します!

古米の特徴

古米は収穫してから10か月以上たち、含有水分が少ないため、水加減を多めにする必要があります。1合につき210cc(いつもの5~10%増し)で炊飯すると美味しく炊けます。

*古米の炊き方については、以前のコラムで実験した結果を載せていますので、詳しくはこちらをご覧ください。

新米の特徴

新米は古米に比べて含有水分が多くなっています。品種などによって量は異なるのですが、新米と古米では、およそ0.5~1.0%ほどの差があります。数字だけでみると小さな差に見えるのですが、お米にとっては大きな差です。このように新米は古米に比べて水分量が多いので柔らかく、その分砕けやすいです。そのため、洗米をする時、新米は特に優しく洗うことが大切です!

また、柔らかいことにより、炊飯中の表面が糊化しやすく、米と米がくっついて水の対流を阻害し、釜底にこげが出来やすくなります。

洗米時間・浸水時間・水の量は1割減らすべき?

このような特徴が新米と古米にはあります。そして新米について、これまで様々な文献で、洗米時間・浸水時間、水の量は1割減らすのが良いとされていました。そこで、本当に新米は水加減を1割減らした方がいいのかについて次の2つ実験をしてみました。

【実験1】洗米時間・浸水時間について

まず1つ目の実験は、洗米時間と浸水時間を通常より1割減らしたご飯と、通常通りで炊いたご飯とを比較するものです。

実験の手順

*実験は福井県産コシヒカリを使って14人で行いました*
Aが通常通りのもの、Bが1割減らしたもの

①それぞれ1合分のお米をはかる

②洗米はそれぞれ次のように行う
A:通常通りのもの
1、最初に水を入れて、かき混ぜずにすぐ水を捨てる。
2、水を入れないままで、米を30回かき混ぜる
3、水を入れて、すぐに捨てる
4、2と3をもう1回繰り返す
5、1と同じように水を入れて、かき混ぜずにすぐ水を捨てる
6、ザルで水を切る(今回は正確に水加減を調整する為、洗米後の米はザル上げを行い、水気を切ってから加水を行っています

B:1割減らしたもの
Aと基本的には同じですが、2と4の部分のかき混ぜる回数を1割減らして27回にします。それ以外は同じ手順で行います。

③浸水は、Aは35分、Bは一割減らして約30分で行う
④それぞれ浸水が終わったら炊飯する

実験したみた結果は?

このような手順で実験してみた結果、あまり違いは出ませんでした。項目を、


つや
におい
甘味

粘り
柔らかさ

の7つ項分け、それぞれの項目で1割減らしたものが良いか通常通りのものが良いか、あるいはどちらも同じかを選んでもらいました。その結果、どの項目でも

「どちらも同じ」

が一番多くなりました。

このことから、新米だからといって通常より1割減らさなくてもよいと分かります。しかし、柔らかさや粘りなどそれぞれ好みが分かれる部分でもありますので、お好みに合わせて、洗米時間や浸水時間を調整していただければと思います。

【実験2】水の量について

2つ目の実験は水の量についてです。
実験は水加減のみをかえて、浸水や洗米などの方法は【実験1】のAの手順と同じです。
次の表が、新米の水加減について実験してみた結果です。

この結果をみると、新米の炊く時、水の量は

通常通り1合につき200mlのまま

で炊飯すると美味しく炊き上がることがわかります。
色がついている部分の水200mlの場合が、8項目中6項目で一番評価が高いという結果になりました。特に、柔らかさ・粘り・食味で大きな差が出ています。

※柔らかさや粘りなどお好みがあると思いますので、お好みに合わせて水加減を調整してみて下さい※

結論

ここまで2つの実験をしてみました。その結果をまとめると、新米を炊く時は、

洗米は30回かき混ぜるのを2回繰り返し、水の量は200mlにして、約35分浸水後に炊飯する

という通常通りの方法がおすすめという結果になりました!

ちなみに・・・

新米の出荷時期っていつ頃?

○○の新米はいつ頃でますか?

このような質問をよくいただきます。品種によって新米の出る時期は異なり、毎年決まった日にちで出荷が始まるわけではないのですが、大まかな新米の出荷時期をご紹介します!

8月中旬頃 福井県産ハナエチゼン(一番早い新米です!)

9月初旬頃 福井県産コシヒカリ、福井県産福井米

9月中旬頃 福井県産あきさかり、福井県産ミルキークイーン、国内産美膳

9月下旬頃 福井県大野市産コシヒカリ

ぜひお好みのお米の新米出荷の時期をチェックしてみて下さい!

*新米と表示されるのはそのお米の玄米が収穫された年の12月31日までに包装されたものとされています。詳しくはこちらをご覧ください。

虫の発生について

新米は栄養豊富なため、虫が発生しやすいという特徴があります。冷蔵庫の野菜室など、必ず15度以下の場所で保管するようにしてください。お米の保管方法について、詳しくはこちらをご覧ください。

最後に

今回は新米と古米の特徴、新米を炊く際の水加減についてご紹介しました!やはりご飯が一番美味しいこの新米の時期、美味しく味わって食べたいですよね。新米は特に優しく洗い、水加減は通常通りで炊いてみて下さい!

お米選びに迷ったら、お米選び簡単診断チャート

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