「お米の中に白いお米が入っています。古米ですか?」
このようなお問い合わせがよくあります。
白いお米は何?
白いお米は通常「シラタ」「粉状質米」と呼ばれます。
稲の段階で十分に成長できなかった未熟なお米です。
新米は全部透明、古くなったお米が白くなる、保管方法が不十分、などと思われがちですが、そうではなくて、収穫した段階で白いお米は白いのです。
どうして白くなるの?
稲の生育時の高温障害が原因になります。
通常は、光合成により種子の中にデンプンが蓄積し、透明な粒になります。
しかし、穂が出てから収穫されるまでの期間に猛暑(特に夜間)にあうと、光合成により蓄積されたデンプンが夜間呼吸により消費分解されてしまうため、お米が白くなってしまいます。
~番外編~
もち米って白いけど、これもデンプンが不足しているからなの?と疑問に思ったあなた!鋭いですね。もち米が白い理由、それはお米に含まれるデンプンの違いです。
私たちが口にするお米の多くは、うるち米ともち米です。うるち米にはアミロペクチンとアミロースという2種類のデンプンが含まれますが、もち米にはアミロペクチンしか含まれていません。アミロペクチンは乾燥することで空気を含むため、お米が白みがかって見えます。アミロペクチンしか含まれないもち米や、アミロペクチンの割合の多いミルキークイーンなどの品種のお米は、空気を多く含むため、お米が白みがかって見えます。
透明なお米と白いお米の違い
1.味
1~2割程度の白いお米が入っているだけであれば、透明な米とほとんど味に影響ありません。しかし白いお米は、デンプンの割合が少ないため、白いお米が多く含まれるお米を炊くと、デンプンが溶出して、ご飯がやわらかくなる原因となります。やわらかめなお米が好きな方にはおすすめです。
2.価格
白いお米が多く混ざっているお米は、透明な米が多い商品に比べて安くなります。
白いお米の原料となる玄米は、白未熟粒と呼ばれます。白未熟粒が多く含まれている玄米は、玄米の買取価格を決める品位検査において等級が低くなるため、買取価格が安いです。
白いお米が多い場合の炊飯時の注意点
1.洗米
普段と同じように、サッとすすぐ程度の洗米を手早く2~3回行ってください。透明なお米に比べて空気の隙間があるため、強く洗いすぎないようにご注意ください。
2.水の量
通常の水の量と同じでOkです。
お米1合(150g)に対して 水200mlです。
べちゃつくと感じられる場合は、お好みで1割程度水を減らしてみてください。
最後に
お米は農産物のため、その年の気候に品質が大きく左右されます。
特に夏~秋にかけて高温が続いた年に収穫されたお米は、白いお米の割合が入る可能性が高くなります。
問題なく食べることができますので、ご安心ください。
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