ミルキークイーンの生い立ち
ミルキークイーンの誕生は1985年、農水省の「スーパーライス計画」が立案され、スーパーライスとして食味が良く粘りの強い米の開発を目的として始まりました。
従来の都道府県主導の新米計画とは違い、国主導の事業として農業研究センターの稲育種法研究室で研究がはじまり、コシヒカリの突然変異として誕生したのがミルキークイーンです。
お米の特徴としては、元々、他にはない低アミロースなお米を目指して開発されたので、アミロース含有量が低く、粘りが強く、モチモチふっくらとした触感で、冷めても硬くなりにくいのが特徴です。
ちなみにミルキークイーンの名前は、玄米が半透明で乳白色をしていることが由来で名づけられています。
モチモチな理由は「低アミロース」|もち米に近いお米です
お米の粘りの正体はご飯の粘りはお米に含まれる「デンプン」で決まります。このデンプンには「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類あり、「アミロース」の割合が少ないと粘りが強いご飯になり、逆にアミロースの割合が多いと粘りが少ないご飯になります。つまり、アミロースの割合が低ければ低いほど、粘りの強いお米になるわけです。
粘りがとても強い「もち米」のアミロース割合は、アミロース0%(アミロペクチン100%)です。だからあんなに粘りの強いお餅が出来るわけです。
一方でコシヒカリなどの日本の一般的なうるち米のアミロース割合は、アミロースが17〜23%含まれています。
ミルキークイーンのアミロース割合はというと、「コシヒカリ」の半分程度かそれ以下です。地域で違いますが登熟期の温度条件により変動し10%前後といわれています。
ミルキークイーンはもち米に近いアミロース割合だから、粘りの強いモチモチ感が味わえるのですね。
ミルキークイーンの相性の良い食べ方/相性の悪い食べ方
もちもちした粘りのある米が好きな人はもちろん、冷めたりしても美味しく食べることができる米として右に出るものはないというほど知名度があります。冷めても美味しく食味や膨化性、風味にも優れているので、余ったご飯を冷凍する事が多いご家庭にもおすすめです。業務用としてチルド米としても非常に評価が高い品種です。
味が強く、粘りの強いお米ですので、和食、お弁当、おにぎり等に大変相性の良いお米です。一度そのもちもち感を体験してみるのも良いかも知れません。また、炊き込みご飯など調理によって粘りが落ちやすい調理米、炊きこみご飯や胚芽飯などにも、モチモチした粘りをあたえるので相性がいいようです。
一方で、チャーハンやカレーのご飯としては、水分量が多くベチャッとしてしまうために向かない品種とも言えます。
ミルキークイーンと対照的なお米
ミルキークイーンの正反対はもちもち感の少ない「高アミロース」であっさり味のお米です。ササニシキやハナエチゼンがこれに当たります。
おすし用に職人に人気の銘柄で、寿司酢をいれてもベタベタしないため寿司職人が好み、寿司店によってはササニシキ使用をセールスポイントにしているところも多くあります。
お米の味が弱いため、シャリとしての存在がとても他にはない個性というわけです。
当店ではササニシキの取り扱いはありませんが、ハナエチゼンを取り扱っています。ミルキークイーンと食べ比べてみるもの面白いですね。